予防医療

避妊・去勢

避妊・去勢について

避妊・去勢手術は望まれない妊娠を予防するだけではありません。発情に伴うワンちゃん・ネコちゃんの不要なストレスや将来の性ホルモンに関連した病気のリスクを抑えることで長く健康的に過ごすことが出来ます。また室内で飼育する上での問題行動(例:マーキング、発情に伴う鳴き声など)を抑えることも出来ます。一方で少しのデメリットはございますし、麻酔や手術 にご心配がある方も多いと思います。手術、また術後のメリット・デメリットについて知って頂き、ご家族の皆様にご理解頂いた上で進めていきたいと思います ので、ぜひご相談ください。

メリット・デメリット

避妊手術(メス)

メリット
  • 望まない妊娠を防ぐ
  • 子宮や卵巣の疾患を予防する
  • 乳腺腫瘍に罹患するリスクを下げる
  • 発情期の鳴き声や行動を抑える(主に猫)
  • 発情出血が無くなる(犬)
デメリット
  • 子供を産むことは出来ない
  • 全身麻酔・手術に伴うリスクがある
  • 太りやすくなる(食欲が増す)
  • まれに尿失禁するようになることがある

去勢手術(オス)

メリット
  • オスのホルモンに関連した疾患を防ぐ (前立腺肥大・精巣腫瘍・会陰ヘルニアなど)
  • マーキングやスプレー行動(猫)を抑える
  • 攻撃性やテリトリー意識を抑える
デメリット
  • 繁殖できなくなる
  • 全身麻酔・手術に伴うリスクがある
  • 太りやすくなる

手術を受けるタイミング

避妊も去勢も一般的には性成熟前の時期(生後 6 ヶ月ごろ)が理想的とされています。発情前の手術の方が将来の病気や問題行動を抑える事が出来ますが、体が成長しきっていない場合麻酔のリスクが高まる可能性があります。また、小型のワン ちゃんの場合乳歯が抜け残る場合もありますので手術時に同時に処置することも可能です。体格によって多少時期が変わりますのでそろそろと思ったらご相談ください。

各種予防

混合ワクチン

混合ワクチンの接種により、特定の伝染病に対する抵抗力がつき、発症や重症化の予防が期待できます。

犬の混合ワクチン

ワンちゃんの混合ワクチンは、下記の伝染病を予防する効果が期待できます。生後6週~8週頃に初回の接種を行います。その後は生まれ年に合計3回、翌年からは1年に1回の接種がおすすめです。

  • ジステンパー
  • 伝染性肝炎
  • レプトスピラ病カニコーラ
  • パルボウイルス感染症
  • パラインフルエンザ
  • コロナウイルス感染症
  • アデノウイルス2型感染症
  • レプトスピラ病イクテロヘモラジー

猫の混合ワクチン

ネコちゃんの混合ワクチンは、下記の伝染病を予防する効果が期待できます。生後6週~8週頃に初回の接種を行います。その後は生まれ年に合計2回、翌年からは1年に1回の接種がおすすめです。

  • ウイルス性鼻気管炎
  • クラミジア感染症
  • 白血病ウイルス感染症
  • 汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
  • カリシウイルス感染症

狂犬病ワクチン

狂犬病はヒトにも感染する伝染病です。有効な治療法は未だになく、ヒトもワンちゃんも感染による致死率100%ともいわれています。日本国内では狂犬病予防法により、生後3か月以上のワンちゃんは、年に1回の狂犬病予防注射の接種が義務づけられています。日本では数十年以上にわたり、狂犬病の発生が報告されていませんが、海外から狂犬病が入ってくる可能性も否定できません。ワンちゃんと一緒に暮らすためにも、狂犬病対策は飼い主様にとって必須です。

ノミ・マダニ予防

ノミ・マダニの多くは草木に潜んでおり、散歩中のワンちゃんや外に出るネコちゃんの体に付着して寄生します。特に春や夏は活発に繁殖するため、寄生率も高くなることが特徴です。近年では、ノミ・マダニがヒトと動物の共通感染症を媒介する恐れがあり、特にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は命にもかかわる重大な病気です。

ノミ・マダニ予防法について

ノミ・マダニの感染は治療期間が長引く傾向にあり、事前の「予防」が何よりも重要です。気温といった条件が揃えば、ノミ・マダニは冬でも感染するリスクがあります。春や夏などの暖かい季節だけでなく、冬であっても適切な対策が必要です。予防は毎月1回の投薬ですので、継続した予防に取り組みましょう。

フィラリア症予防

フィラリアは蚊が媒介してワンちゃんに寄生し、心臓や肺動脈においてさまざまな障害を引き起こす原因になります。特に心臓に寄生すると血液の流れが悪くなり、肺・肝臓・腎臓などの臓器にも悪影響を及ぼします。咳や息切れ、疲れやすさなどは、発症による主な症状です。また、重症化によりフィラリアが心臓弁に絡まったり、心不全を引き起こしたりして、最終的に死に至る恐れもあります。フィラリアは1回でも寄生すると、安全な除去が難しいといわれております。特に小型犬は心臓が小さく、発症が体にかかるダメージを増やしてしまい、重大な障害を引き起こすリスクを高めます。

フィラリアの予防法について

フィラリアは毎月1回の投薬を継続していただくと、予防効果が期待できます。投薬期間は蚊の発生が始まって1か月後から、毎月投薬を行っていただきます。投薬を途中で止めたり自己流だったりすると、フィラリア症に感染する原因になります。予防を始めたら最後まで続けることが大切です。フィラリアは命にかかわる病気ですが、適切な手段で予防をめざせます。また、室内で暮らしている場合も感染リスクがあるため、決して油断はせず、できるだけ早く予防に取り組みましょう。

健康管理

近年ではワンちゃんやネコちゃんも長生きな子が増え、動物医療においても「予防」が重要視されるようになりました。
また、健康管理を行う上で、病気の早期発見・早期治療も大切なポイントです。
当院ではその子の年齢や生活環境などに合わせて、適切な健康管理や予防方法をご案内しております。
飼い主様とご家族が、ワンちゃんやネコちゃんと一緒に長く暮らしを共にできるように、当院がサポートさせていただきます。

定期的な健康診断が大切です

動物医療の発展やペットフードの改良、生活環境の変化などにより、ワンちゃんやネコちゃんの寿命は以前よりもアップしています。ペットの高齢化により問題視されているのが、病気にかかるリスクの高さです。ワンちゃんやネコちゃんは、人間のように言葉を発することができません。病気のサインを見逃してしまい、重症化しやすいといわれております。病気の予防をめざすには、動物病院での定期的な健康診断がおすすめです。健康診断により病気のリスクを予測でき、病気を発症している場合の早期発見・早期治療につながる期待が高まります。

健康診断プラン

※料金は税込表示です。
※それぞれ別診察料がかかります。病院嫌いで暴れてしまう猫ちゃんは鎮静剤が必要となります。血液検査結果は後日のご報告となります。

  • 簡単チェック¥1,100
    検査内容:一般身体検査(聴診、触診、視診)
  • お手軽プラン¥7,150
    「今のところ元気だけれど、念のために」のわんちゃん・猫ちゃん推奨、5才以下。
    検査内容:一般身体検査、血液検査(血球検査、血液生化学検査14項目)
  • お手軽プランプラス¥8,800
    血液検査の項目が多めです。
    検査内容:一般身体検査、血液検査(血球検査、血液生化学検査【犬:23項目、猫:21項目】)
  • しっかり目プラン¥15,400~
    ※料金は体格により変わります。
    検査内容:一般身体検査、血液検査(血球検査、血液生化学検査【犬:23項目、猫:21項目】)、レントゲン検査

オプション

  • 便検査
  • エコー検査
  • 尿検査
  • 血液検査オプション(甲状腺、心臓、炎症マーカーなど)

当院でできる主な検査

  • 血液検査
  • 血液生化学検査
  • ホルモン検査
  • アレルギー検査
  • レントゲン検査
  • 超音波検査
  • 皮膚科検査
  • 尿検査
  • 糞便検査

ご自宅でできる健康管理

  • 不調のサインチェック

    いつもと違う行動やしぐさを見せる時は、不調のサインかもしれません。普段から注意深く観察し、異常に気づくことが病気の早期発見・早期治療につながります。

  • スキンシップ

    スキンシップの時間は、ワンちゃんやネコちゃんの健康管理にもつながります。週に1回以上は丁寧に体を触り、全身のボディチェックを行いましょう。

  • おやつの調整

    おやつの適切量は、1日に必要な摂取カロリーの約20%以内です。主食の量を変えずおやつが増えると、カロリーの摂りすぎになるため注意が必要です。また、必要な栄養素は成長段階で異なるため、おやつの種類を定期的に見直しましょう。

ページトップへ